ご覧いただきまして、誠にありがとうございます。 北出不二雄のお茶道具、彩陶唐草文水指です。 この作品は、釘彫の図柄に釉薬をかける青釉や彩陶などの新しい装飾技法で、九谷焼の可能性と世界を大きく広げて行った代表作品です。北出不二雄の色絵装飾技法の特徴は、素地が生乾きの状態の時に表面を釘彫りにして文様を表現していく技法を駆使したものです。その文様を伝統的な九谷五彩で彩色をしています。 また、北出不二雄の作品は古九谷で見られる特徴的な光沢が強い色絵装飾と異なっており、柔らかな味わいを生み出しています。ここに北出不二雄ならではの独特の美意識が反映されていると言えるでしょう。日本新工芸家連盟常務理事や日本陶磁協会九谷支部長、九谷焼技術保存会顧問、金沢美術工芸大学学長などにも就いていました。さらに九谷焼の石川県指定無形文化財保持者にも認定されました。 共箱は、和桐の四方桟で、蓋を僅かに盛り上げた上品なものです。経年のスレ、汚れがあります。他に共箱、共布、陶歴が付きます。水指に、カケ キズなどはありません。 サイズは、高さ約20cm(蓋のつまみ迄)、口径約14cm、胴経約15.5cm(いちばん太い部分)です。 年月を経て来た品物ですので、ご承知いただきまして、ご検討ください。